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だんごのおはなし

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年号末。探索者の間で不気味だと話題になっていた洞窟があった。一度入るとそこから出られなくなるだとか、未知なる不治の病かかり、永久に苦しむことになるだとか。誰も行ったこともなければ、入口を見つけるのも困難なそうだ。きさらぎ駅的な都市伝説だろうと思いながらも好奇心が先走ったMという探索者がいた。単純におもしろそうだし、仮に見つければSNSでバズれるだろうというバカな思いを動力源にその洞窟を探す旅に出た。

道中、誰も足を踏み入れてないからだろうか。異常なほどの草が生い茂り、悪戦苦闘。崖から落ちそうになったり、泥沼へ足をつっこんだりしてボロボロになったがついに洞窟を見つけることができた。

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思ったより穏やかである

いや出口近すぎやろ

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探索者Mは走り出した。この先、何があるのだろう、すごくきれいなお花畑があるのかな、いや、楽園があったりして?

出口から放たれる光はとれも綺麗だった。暗い場所にいたから目が慣れていないのか、先が見えないほどにまぶしい。

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ん?

​なんだあれは…

探索者Mは固まった。見てしまったのだ。人間より少し小さいくらいの大きさの、明らかにヒトではない何かが出口の先の草原を歩いている。険しい探検だったので疲れているのだろうと思い、目覚ましがてら自身の頬を軽く叩いてみる。普通に意識ははっきりしていた。…つまり、目の前のソレは幻覚じゃないようだ。

息を吞む探索者M。恐る恐る洞窟を出てみる。あたたかい日光が降り注ぐ環境とは対照的に彼の肝はひんやりしている。

木陰に点々と隠れながら進んでみる。しかし、ソレはどこにもいない。

警戒心が少しほぐれて彼は木陰から身を乗り出した。

その時だった…

気配に気づき、とっさに背後を振り向く。“足の生えただんご”が一瞬で目に焼き付いた。プロの陸上選手並みの速さでソレがこちらに向かって走ってきたのだ。しかし時すでに遅し。

突進してくるかと思えば突然しゃがみ姿勢になり、探索者Mのすねに強烈なローキックをぶちかました。

すねを抱え込んで悶絶する探索者M。しかしだんごは容赦がなかった。頭上に向かってトドメのかかと落としを食らわせたのだ。

探索者Mは目の前がまっくらになった。

 

​・・・あれれ?

しばらくして目が覚めた。




探索者Mはデスクに伏せていた。単に居眠りして夢を見ていたらしい。

ぐっしょり冷や汗までかくほどにトラウマものである。









「とりあえず…夢でよかった…気分転換にアイスでも食べようかな。」



​​

Mはアイスを食べようとキッチンへ足を運び、冷凍庫を開けたのであった。

うぎゃああああ

なんと…取り出したアイスに足が生えているではないか。夢か?まだ夢なのか?夢であってくれ!!

目の前が再びまっくらになった

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あの洞窟でかかってしまう不治の病は

食べ物を見るたび脳内で勝手に足を生やしてしまうというものだった。

そして、このページを見たあなたも同様、団子を普通の目で見られなくなるでしょう。

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